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「ジョン・ウィック:パラベラム」感想 殺し屋になっても男はつらいよ

観ました。前作2本は観てないので、よくわからなかった部分も多々ありますが、現時点での感想です。

個人的には、キアヌリーヴスの恰好良さにピンとこないな~…と思っているので、今回もどう思うかは観る前から気になっていたけれど、やっぱり「格好いい」という括りで見るとあまりピンときませんでした。「いい人」と言われたらとてもわかるんだけど…。
デヴィッド・リーチ監督はキアヌに対してマジでカッケー!と思ってるな~というのはすごく伝わりました。そして、私とは何が格好いいかという定義が違うんだろうな…という感想がまず先立ちました。

キアヌ・リーヴスはシステムに振り回されて、でも振り回されてることに対して自己陶酔する…的な役が多いというか、要するにやっぱりサラリーマンの悲哀みたいなものが似合う人で、そこに共感した人がものすごくそういうキアヌに惚れ込んで作った映画が多い印象です。あんまり楽観的な感じなイメージがないというか、悲観してること込みのよさというか…。

たぶんジョンウィックシリーズは、殺し屋サポート機関のコンチネンタルに振り回されまくるキアヌを味わう映画なので、そのコンセプトに乗れなくてちょっとつらかった。ジョンウィックほどの殺しのスキルがあっても、(コンチネンタルは会社ではないけれど)サラリーマン的なしがらみからは逃れられないのかよ…と思って、悲しくなってしまったというか…。
私は過去所属していた組織というもの全般に対してブチ切れ続けているので、私怨込みでそういう感想がどうしても出てきてしまう。組織内での報復より、枠組みそのものを壊す復讐ものが好きです。

デヴィッド・リーチ監督でいうと、ブレット・トレインはすごく好きで、劇場で何度も観るくらい、めっちゃ面白かったです。
ブラピも振り回される役が似合うけど、キアヌよりずっと楽観的なキャラクターだからかな?いまのブラピがジョンウィック的なテンションで真面目に悩んでいたら、共感するより面白くなっちゃいそうだし。あと、メランコリーの部分はアンドリュー・小路演じる木村がほぼ1人で引き受けていたから、全体の味としてはシリアスに振りすぎていなかった。

たぶん、リーチ監督は組織に振り回される男の話が書きたいということは常に一貫していて、私には刺さらなかったけれど、その狙いはジョン・ウィックシリーズにおいて大成功していると思います。
4作目も公開予定で、今作のラストではコンチネンタルそのものとの戦いになるのか…?という引っ張り方だったので、4作目はちょっと楽しみです。

もしかしてすごいディスっぽい感じになってる…?アクションシーンはめちゃくちゃアガりました。痛そうすぎて逆に笑っちゃう暴力描写がすごい。
ランス・レディック演じるシャロンの心強さというか、この人が一緒にいてくれるとめっちゃ助かる~~!信頼できる!!な感じがとてもよいです。あと、メインの敵役のゼロの厄介オタクぶりが面白かった。塩対応されても余計に愛が燃え上がっちゃうタイプのオタク……。
全編を通してどこを切り取っても画がバッチリ綺麗なのも嬉しいです。色がとにかく綺麗。雨に濡れた地面と、そこに反射するネオンライトの官能的な雰囲気にドキドキしました。景色がセクシー。

まとまらない感想ですが、そんな感じでした~。