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「バービー」感想 権力に溺れないで

wwws.warnerbros.co.jp

観ました。
すごい、こんな映画が作られて、しかも大ヒットする時代になったなんて!
10年前の自分に、2023年にはこんな映画が観れるぞと教えてあげたいです。記念として少しだけ感想を書こうと思います。
内容にがっつり触れているので、先に映画を観たい方は是非劇場へ。


マーゴット・ロビー、あまりにもかわいいですね。
グレタ・ガーウィグ監督はあるインタビューで彼女を「夢のような人」と表現していました。そ、その通りでございます…。


フェミニズム・エンパワーメントという視点からも勿論じゅうぶんに読み解ける内容で、その部分の情報量がとにかくすごいので圧倒されてしまいました。(今って"リーン・イン"とか、"男同士の絆"を読んでる時間!?と錯覚する場面が多々あり、クラクラしてきます)

でも、物語の根本は「自分ってなに?」という疑問を探りにいくという、普遍的かつシンプルな話です。
それからもう一つ、「権力」について。


観終わってすぐに、この曲を思い出しました。

youtu.be

バービーもケンも、「Your Power」、自分たちが持つ権力の取り扱いに問題を抱えていました。

マーゴット・ロビー演じるバービーが自分の存在に疑問を持つまでのバービーワールドは、現実の男性中心社会を反転して誇張させた世界で、政治的な権力や地位のある職業は女性のバービーたちにのみ与えられていました。
それからケンが男らしさに目覚めて、ケンたちの王国を作ろうとして、男性と女性、どちらが権力を握るのか?という不毛な争いに発展してしまう。
ポップにかわいらしくデフォルメされているだけに、その不毛さが余計に虚しさを誘います。

その不毛さからどうやって抜け出すか、考えて考えて辿り着いた先にバービーとケンが出した結論が優しくて温かくて、同時にとても厳しかった。
観客の私たちも、そろそろこの厳しさに向き合う時が来たのかもしれません。

Try not to abuse your power
権力に溺れないように気を付けて
I know we didn't choose to change
私たちは変わらないことを選び続けてきた
You might not wanna lose your power
きっとあなたは権力を失いたくないよね
But having it's so strange
でもそのままでいるのはおかしいよ

(1verseの歌詞・めちゃくちゃ意訳です)

Your Powerが収録されているアルバム"Happier Than Ever"は、リリースされてから何度も繰り返し聴いていて、大好きなアルバムです。

open.spotify.com

この曲のメッセージを映画で見せてくれたことが、とにかく嬉しかった。


劇中のメインテーマもビリー・アイリッシュが歌っています。

youtu.be

グレタ・ガーウィグ監督がビリー・アイリッシュの曲を聴いていないはずがないので、私が受け取った感想も偶然ではないと思います。


バービーの感想というか、ビリー・アイリッシュって最高!という感想になっている気もしますが、とても面白くて良い映画なので、是非観てみてください。
Happier Than Everも聴いてね!